当院では、飼い主様から記載の許可を頂いた症例を随時こちらで上げさせて頂いております。
更新した際には、トップページのお知らせにてご報告致します。

猫の肛門嚢炎

肛門の左右に肛門嚢(肛門腺)という分泌液が入っている袋が一つずつあり、その袋が炎症を起こしてしまった状態を肛門嚢炎といいます。肛門をしきりに舐めたり、床に擦り付けたりする症状がみられ、悪化すると腫脹して肛門嚢が破裂し血や膿が出てくるようになります(肛門腺破裂)。病院では肛門腺絞りや肛門嚢を切開し、溜まっている貯留物を排出させたあと、洗浄し炎症をおさえる薬を充填します。一度肛門嚢炎になった子は再発も多いため、完治した後もこまめな肛門腺絞りを行うことで再発予防につながります。

ウサギ

ウサギの涙嚢炎

涙嚢炎とは涙嚢と呼ばれる涙を溜めておく袋が炎症を起こした状態をいい、不正咬合により歯の根元が鼻涙管を圧迫することで涙嚢に涙が溜まりすぎてしまい細菌感染を引き起こすことで発症するケースが多いとされています。涙嚢に炎症や細菌感染が波及すると眼から白色の膿性の目ヤニが分泌され、涙の排泄障害を起こし流涙が持続することで目頭周辺の皮膚が炎症を起こし脱毛を呈します。治療としては鼻涙管洗浄と適切な抗菌薬の使用を中心とし、歯に異常が認められるのであれば歯科治療も行うことが望ましいとされております。普段から牧草を多く給餌させる事で、歯根の貫入による涙嚢炎の発生を予防につながります。

ハリネズミ

ハリネズミの細菌性皮膚炎

ハリネズミは足が短く、歩行中に胸やお腹に排泄物や汚れに付着してしまい細菌性皮膚炎になってしまうことが多々あります。ダニなどの寄生虫感染や真菌症、腫瘍との鑑別診断が重要とされており、細菌性皮膚炎になってしまった場合は衛生的な環境での飼育と、内服薬による治療を行います。患部を気にして自咬し悪化する場合もあるため、早期治療が重要となります。

ふらつき症候群

ふらつき症候群とはハリネズミ特有の病気で、症状としては進行性の運動失調や四肢の麻痺、排尿障害などがあります。初期症状としては丸まりにくくなったり、後ろ足がふらつく仕草が見られたりします。遺伝性疾患の可能性を示唆する報告もありますが明確な原因が判明されておらず、治療方法も対症療法や支持療法、介護がメインとなります。予後不良の病気ではありますが、早期に発見し、その子に適した食餌や生活環境を提供ことが大切とされています。

デグー

デグーの不正咬合

デグーの疾患で最も多いのが臼歯の不正咬合です。デグーに限らずうさぎやモルモットなどの動物は一生歯が伸び続ける動物のため、普段から歯をすり減らす食生活が必要です。歯の嚙み合わせが悪くなると、食欲が落ちたりよだれが出るようになります。
そのような状態になってしまった場合、伸びてしまった歯を定期的に削り、症状が出た場合は痛み止めや胃腸薬などの薬を必要に応じて処方します。予防法としては常に新鮮な牧草を硬い餌を与え、上下の歯の長さを維持することが重要です。

爬虫類

グリーンイグアナの皮下膿瘍

膿瘍の多くは咬傷や掻き傷、外傷が原因で発生します。飼育環境の見直しと、抗生剤や抗菌薬などの内科的治療を行います。ただし皮下にある膿が固く集塊を形成している場合は、圧迫排膿や内服薬ではなかなか改善されないこともあり、そのような場合は外科的に固まった膿の集塊を摘出する場合もあります。

フトアゴヒゲトカゲの卵塞

卵塞は症状として食欲不振と腹部の膨らみが典型的であり、原因としては低カルシウム血症、脱水、産卵場所の欠如が挙げられます。主な治療法はカルシウム剤の注射や皮下点滴、飼育環境の見直し、産卵床の設置などが挙げられますが、それでも改善が見られない場合は、ホルモン剤の注射や手術による卵の摘出などを行います。左図の超音波検査の写真の矢印は腹部内にたまった卵を示しています。

クリプトスポリジウム症

クリプトスポリジウムとは原虫の一種で特に爬虫類に感染しやすいと言われており、感染し発症すると食欲不振や下痢、削痩、脱水、嘔吐などの症状がみられます。便検査を行って判明する場合もありますが、便検査を数回行っても見つからないことも多く、検査センターでのPCR検査で初めて判明する場合もあります。現時点では有効な治療方法はなく、抗寄生虫薬や皮下補液の投与などの対症療法で症状の軽減を試みます。治療に反応し症状が改善した個体でも感染は持続しているため、寒さや環境の変化により免疫状態が悪化すれば簡単に再発するため注意が必要です。